韓国サムスン、第1四半期は3%営業増益 新型コロナで先行き不透明

Reuters

発行済 2020年04月29日 14:26

[ソウル 29日 ロイター] - 韓国のサムスン電子 (KS:005930)が発表した第1・四半期決算は、営業利益が3%増で暫定値と一致した。ただ新型コロナウイルスの影響でスマートフォン(スマホ)やテレビの販売が減少しており、今第2・四半期は減益を見込む。

第1・四半期は、新型コロナを受けて在宅勤務が増え、コンピューターサーバーやPC向け半導体の需要が拡大したことが寄与した。

サムスンは声明で「新型コロナの流行期間や影響が分からず、下半期も新型コロナに起因する不透明感がくすぶり続ける見通しだ」と述べた。

半導体メーカーのSKハイニックス (KS:000660)や米インテル (O:INTC)は、第1・四半期決算が予想を上回る内容だったものの、通期業績予想は示していない。

サムスンの第1・四半期営業利益は6兆4000億ウォン(52億ドル)。前年同期の6兆2000億ウォンから増加した。

純利益は3%減少し4兆9000億ウォン。売上高は5.6%増の55兆3000億ウォン。

半導体メモリ部門は、世界的な在宅勤務への流れを受けたサーバー・コンピューター需要の高まりが追い風となった。

一方、テレビやスマホは、不要不急の家電製品買い控えで販売が鈍化した。

「スマホやTVなど、セット商品事業の収益は、新型コロナを受けた需要低迷や、店舗休業、工場休止で大幅な減少が予想される」としている。

大信証券のアナリストは「3月から米欧で新型コロナの感染が拡大しており、サムスンは第2・四半期にその影響を一段と受けるだろう」と述べた。

半導体部門の営業利益は3兆9900億ウォンで前年比3%減少。

リモートワークやオンライン授業に関連したクラウド・アプリからの需要が押し上げるとともに、ストリーミング・サービスやネット通販の拡大を背景にデータセンター関連の需要も好調を維持したという。