ダウ532ドル高、新型コロナ治療薬への期待で

Reuters

発行済 2020年04月30日 06:39

[29日 ロイター] - 米国株式市場は上昇し、ダウ平均株価 (DJI)は532ドル値上がりして取引を終えた。第1・四半期の国内総生産(GDP)が大幅な落ち込みとなったほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は先行きに警鐘を鳴らしたが、新型コロナウイルス感染症治験薬の効果に対する期待感が上回り、幅広い銘柄が買われた。

ハイテク株への買いがS&P総合500種指数 (SPX)やナスダック総合指数 (IXIC)を最も押し上げた。小型株も引き続き堅調で、小型株指数のラッセル2000指数 (RUT)は4.8%高と6日続伸となった。

米製薬ギリアド・サイエンシズ (O:GILD)は29日、同社の新型コロナ治療薬候補「レムデシビル」の治験で前向きなデータが得られたと明らかにした。株価は5.7%高。

経済指標では第1・四半期の米実質GDP速報値が年率換算で前期比4.8%減と、2008年第4・四半期以来の大幅な落ち込みとなった。エコノミストは第2・四半期が最大40%のマイナス成長になると予想している。

FRBは29日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、金利据え置きと量的緩和の維持を決定。また新型コロナの難局を乗り切るために「あらゆる手段を行使する」と強調した。

チェリーレーン・インベストメンツ(ニュージャージー州)のリック・メクラー氏は「FRBは先頭に立って景気の下支えに動いており、こうした積極的な対応こそ、市場が底堅さを保っている大きな理由と考えられる」と述べた。

検索大手グーグルの持ち株会社アルファベット (O:GOOGL)は8.9%高。3月下旬に落ち込んだグーグルの広告収入が4月に安定化したと明らかにした。新型コロナ関連情報の検索に加え、買い物を目的としたグーグルの利用も幾分回復したという。

航空機大手ボーイング (N:BA)は5.9%高。業界全体の長期的な回復に備え、従業員を約10%削減し、787ドリームライナーの追加減産を実施するほか、流動性向上を図るとした。第1・四半期決算は、新型コロナによる影響を受け、2四半期連続で純損失を計上した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を6.73対1の比率で上回った。ナスダックでも4.29対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約127億株。直近20営業日の平均は約123億株。

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終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 24633.8 +532.31 +2.21 24490. 24764. 24453. (DJI)

6 37 77 99

前営業日終値 24101.5

5

ナスダック総合 8914.71 +306.98 +3.57 8802.7 8957.2 8765.0 (IXIC)

0 7 1

前営業日終値 8607.73

S&P総合500種 2939.51 +76.12 +2.66 2918.4 2954.8 2912.1 (SPX)

6 6 6

前営業日終値 2863.39

ダウ輸送株20種 8628.62 +221.30 +2.63 (DJT)

ダウ公共株15種 798.48 -6.45 -0.80 (DJU)

フィラデルフィア半導体 1797.76 +84.55 +4.94 (SOX)

VIX指数 31.25 -2.32 -6.91 (VIX)

S&P一般消費財 952.07 +21.47 +2.31 (SPLRCD)

S&P素材 336.50 +8.42 +2.57 (SPLRCM)

S&P工業 553.65 +10.52 +1.94 (SPLRCI)

S&P主要消費財 604.41 -2.47 -0.41 (SPLRCS)

S&P金融 388.77 +11.35 +3.01 (SPSY)

S&P不動産 212.02 +0.74 +0.35 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 296.28 +20.29 +7.35 (SPNY)

S&Pヘルスケア 1167.15 +8.57 +0.74 (SPXHC)

S&P通信サービス 170.62 +8.20 +5.05 (SPLRCL)

S&P情報技術 1615.98 +65.40 +4.22 (SPLRCT)

S&P公益事業 297.80 -2.76 -0.92 (SPLRCU)