米ADP民間雇用、4月は2024万人減 新型コロナで過去最悪

Reuters

発行済 2020年05月06日 22:38

更新済 2020年05月07日 02:09

[ワシントン 6日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが6日発表した4月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が2023万6000人減少した。新型コロナウイルス感染拡大を受け営業停止を余儀なくされた企業が雇用を削減したことで、減少幅は過去最悪となった。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は2005万人減だった。

MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は、新型コロナ危機によって大幅な失業が発生し、想定よりも回復に時間がかかると指摘。「1930年代の大恐慌は3年半続いた。米経済が数年以内に通常に近い状態に戻るとしたら、それは奇跡だ」と述べた。

3月の民間部門雇用者数は14万9000人減と、当初発表の2万7000人減から改定された。3月は2017年9月以来初めての減少となった。

内訳では、娯楽・宿泊が861万人減と、全体の落ち込みの4割強を占めた。製造業では170万人減、建設業では250万人減となった。

週間の新規失業保険申請件数は3月21日以降、累計で3030万件に膨らんでいる。これは1カ月あまりで就業者の約5人に1人が失業したことを意味する。

ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は、足元が失業のピークとした上で「雇用関連の統計値は比較的早く好転するだろうが、過去数カ月で失った雇用を全て取り戻すことはできない」と述べた。

8日に発表される4月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が2185万3000人の減少と、金融危機に見舞われた2009年3月に記録した80万人を大幅に超える落ち込みになると予想されている。失業率も16%と、1982年11月に記録した10.8%を超える見込み。

ADPによると、4月の雇用報告は新型コロナの影響を完全に反映しているわけではないという。