米コロナ対策本部、経済再開に軸足シフト 民主は早期緩和に警告

Reuters

発行済 2020年05月06日 23:51

更新済 2020年05月07日 08:00

[ワシントン 6日 ロイター] - トランプ米大統領は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて設置した対策本部について、期限を設けずに活動を継続し、今後は安全な経済・社会活動の再開のほか、ワクチンと治療薬の開発に軸足をシフトするという考えを示した。これに対し、民主党のペロシ下院議長は科学がないがしろにされることはあってはならないと警告した。

トランプ大統領は前日、対策本部の縮小と新たな組織づくりを表明したばかりだが、この日は対策本部の人気ぶりを知って考えを改めたと明かした。

その上で「対策本部はこれまで成功を収めたため、安全な経済活動の再開を主眼に期限を設けずに活動を継続する。必要に応じて新たな人員を配置したり、削減したりする。対策本部はワクチンと治療薬の開発にも注力する」とツイッターに投稿した。

その後トランプ大統領は記者団に対し、対策本部の新たなメンバーを11日までに発表すると述べた。

経済再開に伴いコロナによる死者が増えることを国民は受け入れるべきかとの質問には「国を何年も封鎖し続けるわけにはいかず、何らかの対応をせざるを得ない。(死者の増加が)起きないよう願っているが、そうなる可能性が高い」とした。

現在の対策本部はペンス副大統領が率い、医療保健当局者などで構成される。ペンス氏は5日、ホワイトハウスが対策本部の段階的な縮小について協議していると表明。トランプ氏も「ペンス副大統領と作業部会はこれまで大変頑張ってくれたが、今後は安全性や経済再開に重点を置いた新たな組織を作る」と述べていた。

対策本部には医療専門家も参加しており、感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)などの措置を緩和する時期などについて、トランプ大統領とは異なる見解を示すこともあった。

ペロシ下院議長はMSNBCに対し、「死亡者数は経済指数ではない」とし、「科学をないがしろにし、(新型ウイルス)検査の資金を削減し、国民が感染により死亡するリスクと引き換えに経済(成長)のための機会を強調することを『計画』とは呼ばない」と述べた。