訂正:米経済、コロナ禍で長期低迷も 議会は追加支援を=FRB議長

Reuters

発行済 2020年05月13日 23:03

更新済 2020年05月14日 04:45

[ワシントン 13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は13日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い米経済は「長期」にわたり成長が低迷し所得も停滞する恐れがあるとした上で、FRBは必要に応じて一層対応すると明言した。また財政支出も一段の拡大が求められるとの考えを示した。

議長はピーターソン国際経済研究所が主催するオンラインイベントで講演し、新型コロナに対する米国のこれまでの対応は「とりわけ迅速で強力だった」と評価。ただ、そうした対応にかかわらず「回復が勢いづくには一定の時間がかかる可能性がある」とし、新型コロナ抑制に向けた取り組みの進展具合にもよると表明した。

その上で「景気回復が期待に反し一段と緩慢になりかねないという感触が強まっており、追加対応を迫られる可能性もある」ほか、公衆衛生上のリスクが長引けば、企業が倒産したり家計が所得に縛られる公算も大きくなると警告した。最近の調査では、所得が4万ドル以下の家計の4割で2月以降に失業した人が含まれることが分かったとも明らかにした。

最悪のシナリオでは、長期にわたり生産性の伸びが低迷し、所得は停滞すると予想され、長期的に経済の損失を抑えながら力強い景気回復を後押しするためには、たとえ費用がかかっても追加の財政支援を行う価値があると強調し、議会に対応を求めた。

また新型コロナの今後の感染拡大をどのように抑制し、ワクチンや治療法がいかに早く開発されるかを巡り不確実性があるとした上で、政策当局者には起こり得る「広範な」結果に対応する用意が必要と述べた。

FRBは「危機が過ぎ去り、景気回復が軌道に乗るまで、政策を最大限活用し続ける」とした一方、市場で織り込まれ始めているマイナス金利(訂正)については「検討していない」と述べ、導入に否定的な考えを示した。マイナス金利を巡ってはトランプ大統領が繰り返しFRBに導入を要求している。

議長発言を受け、米ダウ平均株価 (DJI)は一時300ドル近く下落。国債利回りは低下した。