マツダ、1―3月期は9年ぶり最終赤字 6月も生産調整 今期予想未定

Reuters

発行済 2020年05月14日 13:20

更新済 2020年05月14日 17:54

[東京 14日 ロイター] - マツダ (T:7261)は14日、2020年1―3月期は203億円の連結最終赤字(前年同期の278億円の黒字)となったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で販売が落ち込んだ。同じ期としての赤字は東日本大震災の発生でサプライチェーンの混乱や販売減の影響が大きかった11年(628億円の赤字)以来、9年ぶり。

21年3月期(今期)の連結業績予想と世界販売計画の公表も見送った。不透明な事業環境が続くとみられ、合理的な算出が困難なため。今期の配当も未定とした。在庫適正化を図るため、6月も生産調整を続ける。

新型コロナの感染拡大が業績に与えた影響について、古賀亮専務執行役員は電話会見で、「営業利益ベースで約100億円出ている」と説明。このうち販売減少で約60億円減ったほか、生産停止や代替部品調達に伴う運送費なども響いた。販売台数は、決算に反映される連結出荷ベースで1万1000台、小売りベースで6万台減少した。

古賀専務は、新型コロナを受け、これまで取り組んできた販売の質的改善の方針は「中期的に変更はない」としつつ、戦術、規模やタイミングなどは調整するとし、「固定費構造の見直し、回転率を考慮した在庫管理を引き続き強化する」と指摘。「6月もまだ生産をガンガン回復させていく段階ではないと判断している」と語り、生産調整を続ける意向を示した。

<資金繰り「大きな不安ない」>

資金繰りについては、藤本常務は「現段階では特に大きな不安はない」と述べた。主要取引銀行と資金調達の手続きを進めており、3月末時点の現預金5680億円と今後の資金調達をあわせると「一定の手元流動性は確保できる」と話した。調達額などの詳細は言及を控えた。

関係筋によると、マツダは三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3メガ銀行のほか、日本政策投資銀行、三井住友信託銀行などに対し、計3000億円規模の融資を要請、協議を進めている。

21年の生産開始に向けて米国アラバマ州で建設中のトヨタ自動車 (T:7203)との合弁工場に関して、古賀専務は「設備の搬入、建設労働者の確保に非常に苦労しており、残念ながら工期がじわりじわり伸びて(生産開始は)ずれそうな状況」と述べたが、「現時点で大きく計画を変えることは考えていない」と語った。

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同社は12日に20年3月期(前期)連結業績予想を下方修正済み。純利益は前の期に比べ80.8%減の121億円、営業利益は47%減の436億円、売上高は3.8%減の3兆4302億円だった。世界販売は9%減の141万9000台だった。