労働市場へのコロナ打撃、南北アメリカが最大=ILO報告書

Reuters

発行済 2020年05月28日 00:40

[ジュネーブ 27日 ロイター] - 国際労働機関(ILO)は27日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により4月から6月の間に世界中で3億500万人が失業すると試算し、そのうち南北米大陸の打撃が最も大きいとの見方を示した。

ILOはまた、感染拡大により若年層が「ロックダウン(都市封鎖)世代」となる恐れがあると指摘した。こうした世代は少なくとも10年間は労働市場での遅れを取り戻すために苦労することになる。

第2・四半期の失業者数は前月の予測から改定しなかった。失業者数は労働時間をパンデミック前と比較して算出している。

ライダー事務局長は記者会見で、南北米大陸について第1・四半期は労働市場への影響が一番小さい地域とみられていたが、第2・四半期は労働時間が13.1%減と打撃が最も大きくなる見通しだと述べた。感染拡大の中心地となったことによるという。

ライダー氏は、労働市場の影響が若年層に偏っているとし、「非常に不安視している」と指摘。「危険なのは若者への影響が10年以上残ることだ。生涯を通し雇用の軌道に影響することとなる」と述べた。