航空業界の損失、今年は843億ドル コロナ危機で=IATA

Reuters

発行済 2020年06月09日 23:50

更新済 2020年06月10日 02:27

[パリ 9日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)は9日、2020年の航空業界の損失額は過去最大の843億ドルに達するとの予測を発表した。新型コロナウイルス危機が主な要因で、今年は「航空史上最悪の年」になるとした。

世界中で運航便の大半が停止しているため、航空業界の売上高は昨年の8380億ドルから4190億ドルと半減する見通し。

IATAのジュニアック事務総長は、「航空業界の損失は1日当たり2億3000万ドルずつ膨らむ」と指摘。乗客1人当たりの損失は平均で約38ドルになるとした。

21年には158億ドルの損失が見込まれており、新型コロナ危機に起因する損失は合計で約1000億ドルに達する見込み。輸送量が危機前の水準をはるかに下回っているほか、運賃引き下げが響くという。

ジュニアック氏は「20年は財政的に航空史上最悪の年になるだろう」とした上で、「21年も財政的に脆弱な状態が続く。競争がより一層激化するだろう」と語った。

21年の売上高は5980億ドルに回復すると想定。乗客数は今年22億5000万人に減少した後、21年には33億8000万人に増加する見込みとした。それでも、19年の水準を25%超下回るという。

イールド(旅客1人の1キロまたマイル当たり収入単価)は今年18%低下する見込み。これにより旅客収入は2410億ドル減少する。