エアバス、1年以内に1.5万人削減 コロナ危機受け

Reuters

発行済 2020年07月01日 07:46

更新済 2020年07月01日 10:18

[トゥールーズ(フランス)/パリ 30日 ロイター] - 欧州航空機大手・エアバス (PA:AIR)は、1年以内に1万5000人を削減する計画を30日に発表した。 新型コロナウイルスの感染拡大で航空需要が打撃を受ける中、エアバスの将来のために必要な措置だとした。

エアバスは、新型コロナの影響で向こう2年間の生産が当初計画より40%減少すると想定している。

ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は、航空業界が置かれている深刻な危機を踏まえると、他に選択肢はなかったと説明。「直視せざるを得ない現実であり、エアバスの長期的な見通しを確保しようとしている」と述べた。

国別の削減数はフランスが5000人、ドイツが5100人、スペインが900人、英国が1700人、その他が1300人。2021年半ばまでに削減する。これに加え、コロナ危機前に発表した独プレミアム・エアロテック部門での900人も含めて約1万5000人の削減となる。エアバスは世界全体で13万5000人を雇用する。

まず、自主退職や早期退職などを募るとしたが、強制解雇の可能性も排除していない。

人員削減を巡っては、各国政府や労働組合との厳しい協議が予想される。エアバスの発表を受け、組合はすでに強制解雇に抵抗する構えを示している。2008年のリストラの際には、ストライキや抗議活動が起きた経緯がある。

労組「CFE─CGC」のフランソワーズ・バリン氏は「雇用を守るため大きな戦いになる」と述べた。