コロナワクチン開発先行の米モデルナ、政府専門家と手法巡り対立

Reuters

発行済 2020年07月08日 01:46

更新済 2020年07月08日 02:00

[7日 ロイター] - 新型コロナウイルスのワクチンを巡り、早期開発が期待されるバイオ医薬大手の米モデルナ (O:MRNA)と米政府の専門家が開発プロセスを巡って対立していることが分かった。

米政府は約5億ドルを投じてモデルナのワクチン開発を支援しており、大規模な臨床試験を開始する最初の企業の一つに選定した。

モデルナはこれまで承認済みワクチンの製造や大規模な治験を行ったことがない。ワクチン事業に詳しい関係筋3人によると、同社はプロセスを巡り政府の科学者と対立し、臨床試験実施計画書の提出を遅らせたり、治験の実施方法についての専門家のアドバイスに反対したりしているという。こうした対立もあり、同社のワクチン候補の治験開始が2週間以上遅れ、現時点で7月下旬に予定されている。

ある関係者は、モデルナがもう少し協力的なら予定通りに進んだ可能性はあると述べた。

意見の対立を受け、モデルナに十分な経験がないことや、治験における最重要段階を監督するスタッフや専門知識が不足していることへの懸念も高まっている。関係者によると、同様に新型コロナワクチンを開発する英アストラゼネカ (L:AZN)や米ジョンソン・エンド・ジョンソン (N:JNJ)などの大手製薬会社に同じような問題は見られないという。