米コロナ追加対策の協議難航、失業保険の延長なお不透明

Reuters

発行済 2020年07月29日 06:03

更新済 2020年07月29日 12:00

[ワシントン 28日 ロイター] - 新型コロナウイルス追加対策をめぐる米議会、政権の協議が大詰めで難航している。与党・共和党の議会指導部が27日に提示した1兆ドル規模の政策案には党内から批判が出る一方、失業保険の特例加算の期限が7月末に迫る中、法案一本化に向けた与野党の協議も進展を見せていない。

期限までにムニューシン財務長官が民主党指導部と合意し、何らかの形で同措置を延長できるかどうかは不透明だ。

共和案では、国民1人当たり1200ドルの直接支給や、1900億ドルの小規模事業向け融資、1000億ドルの低所得地域企業などへの融資が盛り込まれている。

焦点となる失業給付は、特例加算額を現行の週600ドルから200ドルに減額して2カ月延長し、その後は州政府が失業前の給与の70%を給付するとしている。

トランプ大統領は28日の記者会見で、法案の一部を支持していないことを明らかにした。どの部分が問題なのかには言及せず、「民主党は自らの要求を出し、共和党にそれをのむよう求めてくるだろうから(今話すのは)あまりふさわしくない」と述べた。

トランプ氏は詳細に言及せず、「何らかの措置を講じる」と語った。

一方、ムニューシン長官は、民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務との会談後、記者団に対し「対応すべき課題が多くある」と述べた。協議は29日も継続される見通し。

共和党上院のマコネル院内総務は、連邦捜査局(FBI)新本部の建設費用など、ホワイトハウスが求めたコロナ対策に関係のない支出を盛り込むことに反対したと述べた。

同氏は、新型コロナの感染が拡大する中で再開する事業や学校を訴訟から守る新たな対策が必須だとし、法案に盛り込まれた関連条項に言及した。

民主党はこれに反対、ペロシ下院議長はマコネル氏に歩み寄る意思があるのか疑問だと批判した。

共和党内の上院議員らからは法案の規模が大きすぎるとの声も相次いでいる。ランド・ポール議員は「さらに1兆ドルの借金を増やすことには反対だ」と表明。リンゼー・グラム議員は、党上院議員の半数が法案に反対する見込みだと語った。

失業給付について、同党内では、従来の給与以上の額を給付として受け取れるなら、職場に戻りたい労働者はいなくなる、との見方が根強い。

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