ベトナムでコロナ感染再拡大 観光地の集団感染が飛び火

Reuters

発行済 2020年07月29日 14:58

更新済 2020年07月29日 16:36

[ハノイ 29日 ロイター] - ベトナムで新型コロナウイルスの感染が再拡大する兆しが出て、政府が対策を強化している。

今週に入り中部のリゾート地ダナンで集団感染が発生。国営メディアは29日、ダナンの集団感染に関連するとみられる感染事例が首都ハノイ、南部のホーチミン、中央高原地域で報告されたと報じた。

国営テレビによると、グエン・スアン・フック首相は、現在の感染拡大は3月に起こった第2波とは異なるとし、すべての地方都市が感染リスクに直面していると述べた。

ベトナムは、厳格な隔離措置や大規模な検査、感染経路追跡システムのおかげで累計感染者は446人にとどまり、死者は出ていない。

同国の人口は9500万人以上で、新型コロナの死者が報告されていない国では最も人口が多い。

しかしダナン周辺で少なくとも30人が新型コロナに感染。政府は28日、ダナンを発着する航空便の運航を同日から15日間停止すると発表した。

当局者が28日明らかにしたところによると、ダナンを訪れていた観光客1万8000人前後がホーチミン市に戻った。

ハノイ当局は、1万5000─2万人がダナンから戻っているとの見通しを示している。

フック首相は、国内の観光地は警戒態勢を強化する必要があるとし、ダナンについては「厳格なロックダウン」を実施しなければならないと述べた。

29日の国営メディアの報道によると、ダナンから最近ハノイに戻ったピザレストランの従業員1人が新型コロナの検査で陽性反応を示した。このレストランは消毒のため閉鎖されたという。