欧米製薬9社、コロナワクチン開発で科学的な基準順守 共同声明

Reuters

発行済 2020年09月09日 00:31

[フランクフルト 8日 ロイター] - 新型コロナウイルスワクチンの開発競争が加速し安全性への懸念が台頭する中、欧米の製薬会社9社は8日、開発中のワクチンの免疫効果を巡る科学的な基準を守るとする共同声明を発表した。

共同声明を発表したのは 米ファイザー (N:PFE)、英グラクソ・スミスクライン(GSK) (L:GSK)、英アストラゼネカ (L:AZN)、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) (N:JNJ)、米メルク (N:MRK)、米モデルナ (O:MRNA)、米ノババックス (O:NVAX)、仏サノフィ (PA:SASY)、独ビオンテック (O:BNTX)。中国の企業や機関による共同声明の署名はなかった。

9社は声明で「新型ウイルスワクチンの世界的な承認に向け開発を進める中、われわれは科学的なプロセスの完全性を守る」と表明。規制当局のガイダンスに従う姿勢を示した。

米食品医薬品局(FDA)は8月、開発中の新型ウイルスワクチンについて、当局が恩恵がリスクを上回ると判断した場合、臨床試験(治験)の最終段階である第3相治験を必ずしも実施する必要はないとの見解を表明。これに対し世界保健機関(WHO)は警戒を呼び掛けている。

ワクチン開発に携わっている製薬会社は現時点では大規模治験の結果はまだ公表していない。ただ、ロシアが8月にワクチンを承認したほか、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック) (O:SVA)の尹衛東最高経営責任者(CEO)は今月、政府のワクチン緊急使用計画に基づき、同社が開発したワクチンを従業員とその家族に接種したと明らかにした。