[25日 ロイター] - 米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) (N:JNJ)が開発している新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、初期・中期臨床試験(治験)で強い免疫効果が確認されたことが、25日に公表された暫定結果で明らかになった。ただ、高齢者に対し若者と同様の効果があるかは確認できていない。
J&Jが開発するワクチン「Ad26.COV2.S」は1回の接種で済み、モデルナ (O:MRNA)やファイザー (N:PFE)などが開発している2回の接種が必要なワクチンと比べると配布が簡略化できる利点がある。
J&Jは7月にサルを用いた実験で免疫効果を確認したことを受け、1000人の健康な成人を対象に治験を実施した。これまでに得られた結果に基づき、J&Jは今月23日、6万人を対象とした第3相臨床試験(治験)を開始している。
医学情報サイト「medRxiv」に掲載された初期・中期治験結果によると、ワクチン接種から29日後に、分析可能なデータが得られた治験者の98%に抗体が確認された。このうち65歳以上の治験者は15人にとどまった。
また、65歳以上の治験者で疲労や筋肉痛などの反応が出た割合は36%と、若者の64%を大きく下回ったことから、高齢者の免疫反応は若者と比べると強くなかった可能性が示唆された。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200925T210816+0000