原油先物が3%以上下落、米大統領がコロナ陽性

Reuters

発行済 2020年10月02日 11:56

更新済 2020年10月03日 11:56

[東京 2日 ロイター] - アジア時間の原油先物は3%以上下落。トランプ米大統領が新型コロナウイルス検査で陽性だったことを明らかにした。米経済対策を巡る協議も難航しており、需要に対する懸念が根強い。

0615GMT(日本時間午後3時15分)現在、北海ブレント先物 (LCOc1)は1.47ドル(3.6%)安の1バレル=39.4ドル。前日は3%以上下落した。

米WTI原油先物 (CLc1)は1.40ドル(3.6%)安の37.32ドル。前日は4%近く下げた。

週間ベースではWTIが6%近い下落、北海ブレントは7%を超える下落となる見通し。いずれも2週連続の下落となる。

AXIのチーフ・グローバル・マーケット・ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は「コロナ関連のニュースは、依然として石油市場の最大の弱点となっている。最高司令官(の米大統領)でさえ、感染するとの懸念が強まっている」と指摘。米大統領選では民主党のバイデン候補が勝利する可能性が高まったとの見方を示した。

トランプ大統領は2日未明、自身とメラニア夫人が新型コロナウイルス検査で陽性だったとツイッターへの投稿で明らかにした。自身の側近が検査で陽性と判定されたことを受け、検査を受けていた。

トランプ氏は直ちに隔離し回復に向けた手続きに入るとし、「われわれはこれを乗り越える」とツイートした。[nL4N2GT0XQ]

ムニューシン米財務長官とペロシ下院議長は暗礁に乗り上げている追加の新型コロナウイルス経済対策を巡り1日、電話会談を行ったが、主要部分の見解の相違は埋まらなかった。ただ両者は今後も協議を続ける。[nL4N2GS36X][nL4N2GT052]

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大によって需要見通しが悪化しているほか、石油輸出国機構(OPEC)の原油生産量が9月に増加したことも重しとなっている。

ANZリサーチはリポートで「石油市場のファンダメンタルズは心強いものとは言えない。供給が増えているが、需要の見通しは低調とみられる」と述べた。

ロイターの調査によると、OPECの原油生産量は9月に3カ月連続で増加した。減産合意の全体の順守率は高かったものの、協調減産の除外国であるリビアの生産施設の一部再開やイランの輸出増の影響が大きかった。

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