米国株は反落、トランプ大統領コロナ感染で先行き不透明感増大

Reuters

発行済 2020年10月03日 06:32

更新済 2020年10月03日 11:46

[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米国株式市場は反落。トランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染したとのニュースを受け不確実性が増大し、市場参加者の間にはリスクオフムードが広がった。11月3日に迫る米大統領選の先行き不透明感も強まった。

トランプ大統領は同日未明、新型コロナに感染したとツイッターへの投稿で発表した。

コーナーストーン・マクロのグローバル政策リサーチ主任ロベルト・パーリ氏は「米大統領選の結果を巡る不透明性が増大した」と指摘した。

しかし、メドウズ大統領首席補佐官が、トランプ大統領は「軽い症状」を発症しているものの、執務不能には陥っておらず、自主隔離して職務を継続していると明らかにしたことで、株価は下げ渋った。

アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)やマイクロソフト (O:MSFT)、アップル (O:AAPL)が売られ、ナスダック総合の下げが目立った。ダウ工業株30種は景気敏感株の上昇に下支えされ、小幅な下げにどどまった。

この日は下落したものの、週間ではナスダックとS&P総合500はそろって1.5%高、ダウは1.9%高となった。

朝方発表された9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比66万1000人増となり、伸びは前月の148万9000人から大幅に減速。予想の85万人も下回った。新型コロナウイルス感染が再拡大する中、政府支援策も薄れており、多くの人が恒常的に失業状態に置かれる恐れが高まっている。

米民主党のペロシ下院議長が、米航空業界向けの250億ドルの追加雇用支援策を巡る合意が「目前に迫っている」と述べたことは株価を一時支援し、S&P1500航空株<.SPCOMAIR>は2.3%上昇した。

前出のパーリ氏は「追加コロナ経済対策が近く実現する可能性も注目される」と述べた。

S&P主要11セクター中、S&P情報技術 (SPLRCT)が大きく落ち込む半面、不動産<.SPLRCR>や公益 (SPLRCU)が値を上げた。

電気自動車(EV)テスラ (O:TSLA)は7.4%安。第3・四半期の納車台数は四半期で過去最高となったものの、市場の強気予想を下回ったことが嫌気された。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.45対1の比率で上回った。ナスダックでは1.13対1で値下がり銘柄数が多かった。

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米取引所の合算出来高は93億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 27682.81 -134.09 -0.48 27536.3 27861. 27382. (DJI)

9 43 94

前営業日終値 27816.90

ナスダック総合 11075.02 -251.49 -2.22 11082.5 11244. 11033. (IXIC)

3 87 69

前営業日終値 11326.51

S&P総合500種 3348.42 -32.38 -0.96 3338.94 3369.1 3323.6 (SPX)

0 9

前営業日終値 3380.80

ダウ輸送株20種 11297.10 +85.99 +0.77 (DJT)

ダウ公共株15種 832.49 +8.22 +1.00 (DJU)

フィラデルフィア半導体 2221.12 -70.65 -3.08 (SOX)

VIX指数 27.63 +0.93 +3.48 (VIX)

S&P一般消費財 1213.10 -12.91 -1.05 (SPLRCD)

S&P素材 397.67 +3.21 +0.81 (SPLRCM)

S&P工業 655.83 +7.09 +1.09 (SPLRCI)

S&P主要消費財 658.43 -4.01 -0.61 (SPLRCS)

S&P金融 404.00 +2.82 +0.70 (SPSY)

S&P不動産 225.85 +3.51 +1.58 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 222.55 +2.19 +0.99 (SPNY)

S&Pヘルスケア 1214.11 -11.13 -0.91 (SPXHC)

S&P通信サービス 194.22 -3.95 -1.99 (SPLRCL)

S&P情報技術 2021.40 -52.88 -2.55 (SPLRCT)

S&P公益事業 308.41 +3.46 +1.14 (SPLRCU)