米コロナ感染「深く憂慮」、バイデン氏顧問らが迅速行動呼び掛け

Reuters

発行済 2020年11月16日 08:16

[ワシントン 15日 ロイター] - 米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領のアドバイザーらは15日、米国の「深く憂慮される」新型コロナウイルス感染状況に対応するため、迅速な行動を呼び掛けた。政権移行の遅れによりワクチン配布計画などのコロナ対応に一段の悪影響が出る恐れがあると警告した。また、議会に対し、新型コロナ経済対策を直ちに承認するよう求めた。

米国ではこのところ、1日当たりの新規感染者が、7月半ばのこれまでのピークの倍以上に達しており、累計の感染者数は1100万人を突破する見通しとなっている。新型コロナの入院患者も過去最多に達し、ホリデーシーズンを前に新たな規制の導入を余儀なくされている。

バイデン氏の新型コロナ諮問委員会のメンバーで、ミネソタ大学感染症研究・政策センターの所長であるマイケル・オスターホルム博士は、NBCニュースの番組で、「われわれは非常に危険な時期にある」と指摘。いま行動を取らなければ「かなり(感染者が)増えることになる。米国の未来はわれわれの手にかかっている」と語った。

バイデン氏が大統領首席補佐官に指名したロン・クレイン氏も15日、議会に新型コロナ関連法案を直ちに承認するよう要請。

NBCに対し、「選挙後初の超党派行動の例となる可能性がある」と述べ、バイデン氏が議会民主党指導部と会談したことを明らかにした。ただ、バイデン氏の大統領選勝利を公に認めていない共和党のマコネル上院院内総務とは協議していないという。

クレイン氏はまた、バイデン氏の諮問委員会とホワイトハウスの新型コロナ対策本部がまだ正式に連絡を取り合っていないことを明らかにした。これには連邦政府の一般調達局が政権移行権限を承認する必要がある。