米国株は反発、コロナ経済対策の協議再開で懸念後退

Reuters

発行済 2020年11月20日 07:21

[19日 ロイター] - 米国株式市場は反発して取引を終えた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業措置や解雇を巡る懸念が高まる中、追加のコロナ経済対策への期待から、取引終盤に投資家心理が上向いた。

米民主党上院トップのシューマー院内総務はこの日、共和党上院トップのマコネル院内総務が追加経済対策法案を巡る協議再開に合意したと述べた。

LPLフィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「これまでにも見られた戦略だが、経済が減速の兆しを示すと投資家はハイテク株や成長株に逃避する」とした上で、「追加経済対策の望みが出てきたことで状況は変わる。この期待感で相場は上昇した」と語った。

それでも、新型コロナの感染状況が悪化する中、コロナ下で底堅さを見せてきた成長株への買いが目立ち、フィラデルフィア半導体指数 (SOX)は1.6%高と相場全体をアウトパフォームした。

米労働省が発表した11月14日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、74万2000件と前週の71万1000件から予想外に増加。コロナ感染抑制に向けた新たな事業閉鎖によって一時解雇が増え、労働市場の回復を一段と鈍化させている状況が示された。

米国のコロナ入院患者数は過去2週間で約50%増加し、再び学校閉鎖や休業の動きが出ている。

S&P総合500種 (SPX)の主要11セクターでは、エネルギー (SPNY)と情報技術 (SPLRCT)が上げを主導。一方、公益事業 (SPLRCU)とヘルスケア (SPXHC)は下落した。

第3・四半期の企業決算はS&P500構成企業のうち472社が発表を済ませ、リフィニティブのデータによると、このうち84.5%がコンセンサス予想を上回った。

百貨店大手メーシーズ (N:M)は2.1%高。第3・四半期決算は売上高が20%以上落ち込んだものの、予想ほどは悪化しなかった。

半導体大手エヌビディア (O:NVDA)は0.1%高。同社は第4・四半期(11─1月)について、データセンター向け半導体が若干の減収になると予想したが、売上高見通しは市場予想を上回った。

アパレルのLブランズ (N:LB)は予想より良好な決算を受けて17.7%急伸した。

S&P500への採用が決まったテスラ (O:TSLA)は3日続伸し、上場来高値を付けた。

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ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.77対1の比率で上回った。ナスダックでは1.80対1で値上がり銘柄数が多かった。