G20、新型コロナワクチンの公平な供給に尽力=首脳会議声明

Reuters

発行済 2020年11月23日 10:14

[ドバイ/リヤド 22日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は22日、オンライン形式で実施した2日間の討議を終え閉幕した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、貧富の差が拡大する可能性への懸念に対応し、「あらゆる人々」に新型コロナの治療薬や検査、ワクチンを手ごろな価格で公平に供給することに尽力すると表明した。

今回のサミットでは、パンデミックやまだら模様で不透明感の強い景気回復の見通しが議論の焦点となった。

G20は共同声明で「COVID─19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックと、それによる人々の命や生活、経済への前例のない影響は、無類の衝撃を引き起こし、われわれの備えや対応のもろさとともに共通の課題を浮き彫りにした」と指摘。

「人命保護や支援提供で、最も影響を受けやすい人々に特に焦点を当て、経済を成長軌道に戻し、あらゆる人々の雇用を保護・創出するため」取り組むと表明した。

新型コロナのワクチンや検査、治療薬については「全ての人々が手ごろな価格で公平に利用できるよう、努力を惜しまない」と強調した。

議長国サウジアラビアのジャダーン財務相は記者会見で「G20は、どこかの国を置き去りにすれば、全ての国が後れを取ることになるという明確な認識を持っている」と述べた。

また、サウジのサルマン国王は「(G20は)底堅く、持続可能で包摂的かつバランスの取れた経済に向けた回復を達成する重要な政策を採択した」と語った。

G20首脳は、一部の国や産業の段階的な経済活動再開により、世界経済は部分的に回復しているものの、回復は一様ではなく、強い不透明感が伴っていると指摘。「必要な限り、利用可能なあらゆる政策手段」を活用し、人々の命や雇用、所得を守ることに引き続きコミットしていると表明した。

また、気候変動への対応が喫緊の課題だとの認識も示した。

トランプ米大統領はG20首脳会議で、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱するという自身の決定の正当性を主張した。米国は大統領選翌日の11月4日に同協定から正式に離脱した。ただ、大統領選で勝利を確実にしたバイデン前米副大統領は、次期大統領に就任し次第、同協定への復帰を表明している。

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<債務軽減策>

G20は、最貧国の債務返済猶予を2021年半ばまで延長する計画とそれ以降の債務問題への対応で共通のアプローチを取ることを承認した。

債務支払猶予イニシアチブ(DSSI)は2020年にこれまで46カ国の債務(57億ドル)返済を猶予したが、支援の規模は対象となる73カ国に至らず、目標の約120億ドルを大幅に下回っている。