英のコロナ下の防護具不足、事前の感染症対策不備が原因=監査局

Reuters

発行済 2020年11月25日 12:43

[ロンドン 25日 ロイター] - 英監査局(NAO)の報告書によると、英政府は新型コロナウイルス流行前に指摘されていた個人防護具(PPE)の在庫強化を怠ったため、コロナ流行で大幅に不足した防護具の購入に通常の5倍の支出を強いられた。

今年に入り新型コロナの感染が拡大した際、感染者対応の前線で働く医療従事者を含む医師と看護師の約3分の1が、十分な防護具を提供されていないと不満を表していた。

報告書は、昨年時点で政府の上級科学顧問らがガウンやバイザーなどの防護具の備蓄強化を進言していたにもかかわらず、供給が不十分だったと指摘。当時の感染症対策の中心がインフルエンザで、より感染力が強く致死性の高い新型コロナでなかったため、大半の防護具の在庫がわずか2週間分程度と、あまりに少なかったと分析した。

供給不足を受け、政府は2─7月に防護具購入のため125億ポンド(166億ドル)を支出。すでにこれらの防護具は高騰していたため、昨年に購入していた場合と比べて100億ポンドの支出増となった。