米国の1日当たりコロナ死者、3000人突破し過去最多

Reuters

発行済 2020年12月10日 01:37

更新済 2020年12月10日 11:36

[ワシントン 9日 ロイター] - 米国の新型コロナウイルス感染による1日当たり死者は9日、初めて3000人を突破した。一方、米食品医薬品局(FDA)は、10日に米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンに関する諮問委員会を開き、数日以内に緊急使用が承認される見通し。

トランプ政権のワクチン開発計画「ワープ・スピード作戦」の責任者を務めるモンセフ・スラウイ氏によると、FDAは早ければ12日までに承認し、ワクチン接種は13日か14日に始まる可能性がある。

ロイターの集計によると、過去1週間の米国のコロナ感染者の1日当たり平均は20万5661人、死者は2259人となっている。

9日に死亡した人は少なくとも3112人と、1日の死者数としては12月3日に記録した過去最多の2861人を更新し、初めて3000人を突破した。

アリゾナ州では8日、新規感染者が1万2000人を超え、これまでの最多記録からほぼ倍増した。アラバマ、オハイオ両州でも新規感染者がこれまでの最多を更新した。

アザー厚生長官はCNNとのインタビューで、バイデン次期米大統領の政権移行チームと会合したことを明らかにし、「完全かつ協力的、プロとしての政権移行を確実にする」と言明。「米国民を守る上で失策がないよう必要なことを全て行う」と語った。

累計の死者が29万人に迫る中、政府の追加救済策実施が現実味を帯びてきた。

米下院は9日、連邦政府の予算手当てに向けたつなぎ予算の1週間延長について採決を実施する。新たなコロナ救済法案での合意に向け、討議の時間を稼ぐことが狙いだ。

マンチン上院議員(民主党)はCNNに対し、民主共和両党の議員が「きょう中に90%の詳細を詰める見通し」と語った。

トランプ政権は前日、9160億ドル規模の新たな新型コロナ救済法案を提示。同案には民主党が求める州・地方自治体への支援金と共和党が求める企業の賠償免責が含まれるという。しかし、民主党指導部は不十分な内容として拒否している。