シンガポール、今年の新型コロナ対策費は83.1億ドル 昨年下回る

Reuters

発行済 2021年02月16日 20:03

[シンガポール 16日 ロイター] - シンガポールのヘン・スイキャット財務相は16日、予算演説を行い、今年の新型コロナウイルス対策に110億シンガポールドル(83億1000万ドル)を充てる方針を示した。

昨年は5回の予算編成で総額1000億シンガポールドル(755億5000万ドル)近くの新型コロナ対策を打ち出した。

財務相は予算演説の冒頭、「予算編成は1回だけにするというのが私の年頭の願いだ」と表明。航空・観光など新型コロナの流行で特に打撃を受けた産業への追加支援を発表した。

また経済構造を転換する構想や大規模インフラ事業に向けた債券発行計画も明らかにした。ガソリン税を引き上げる計画も発表。数年後に消費税を増税する方針も改めて示した。

2020年度の財政赤字は649億シンガポールドルで、国内総生産(GDP)比13.9%。独立以来、最大となった。2021年度の財政赤字は110億シンガポールドルとなる見通し。

シンガポール政府は今年のGDP成長率をプラス4─6%と予想している。昨年は5.4%減だった。

OCBC銀行のトレジャリー・リサーチ・戦略担当トップ、セレナ・リング氏は「景気の回復局面では、広範な支援策を合理化し、特に打撃を受けたセクターに的を絞ることが予想される」と述べた。