米メルク、J&Jワクチン生産を支援 バイデン大統領が発表

Reuters

発行済 2021年03月03日 00:26

更新済 2021年03月03日 09:27

[2日 ロイター] - バイデン米大統領は2日、遅れが出ているジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の1回接種タイプの新型コロナウイルスワクチン生産を加速させるため、製薬大手メルクが生産を支援すると発表した。

米国政府はメルクの2工場でJ&Jのワクチン生産を支援するため国防生産法を発動した。

大統領は「就任して分かったのはJ&Jが製造面で立ち遅れているということだった」と説明。「この取り組みを加速させるため私のチームは懸命に作業に当たっている」と述べた。

大統領によると、メルクの2工場は既にJ&Jワクチンを製造しているが、今後は供給能力を高めるため、週7日、1日24時間のフル稼働体制にするという。

J&Jワクチンの供給が加速すれば米国でのワクチン接種が大幅に進む見通しだ。他に承認を受けているファイザー/ビオンテックとモデルナの計2種類のワクチンはともに2回の接種が必要だ。

バイデン大統領は5月末までに米国の全ての成人が接種できるのに十分なワクチンを確保したと述べている。

契約では、J&Jは2月末までに1200万回分のワクチンを供給する予定だったが、2月27日に承認を受けた際に出荷準備が整っていたのは400万回分に満たなかった。今月末までに追加で1600万回分を供給できると見込んでいるが、来週の出荷はない見通し。

J&Jは年央までに全体で1億回分のワクチンを供給するという合意については履行可能との認識を示している。

同社は発表文で「われわれは今回の提携でわれわれの生産能力が強化され、現在のコミットメントを上回って供給できるようになると見込んでいる」とした。