米ファイザー、米当局に新型コロナワクチン正式承認を申請

Reuters

発行済 2021年05月10日 09:59

[7日 ロイター] - 米ファイザーと独ビオンテックは共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)の正式承認に向けた申請手続きを開始したと発表した。来年は低中所得国向けを中心に40億回分を生産する目標も明らかにした。

同ワクチンは昨年12月、2カ月分の安全性データに基づき、米国で初めて緊急使用許可が出された。FDAが正式に承認すれば、米国などの富裕国でワクチンを避ける人々に安心感を与える効果が期待できるほか、16歳以上の人々への直接販売や、従業員や職員のワクチン接種義務化を目指す企業や政府機関との提携が可能になる。

ファイザーが公表したアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)による社員向け文書によると、年内に27億回分を供給するための協議が進行中あるいは合意が結ばれているという。このうち4割は低中所得国に分配される見込み。

今年下期にはワクチン供給で富裕国より非富裕国の比重が高くなる見通しで、2021通年で30億回分の生産を目指している。

バイデン米政権は5日、世界貿易機関(WTO)で提案された新型コロナワクチン特許権の一時放棄を支持すると表明。これについてブーラ氏は、ワクチン原料の物流に混乱を生じさせると指摘した。

「ワクチン製造の経験がほとんどあるいは全くない企業は、われわれが生産を増やすために必要な原料を求める可能性が高く、全当事者の安全がリスクにさらされる」と述べてけん制した。