東京五輪、緊急事態宣言下でも開催とIOCのコーツ氏

Reuters

発行済 2021年05月21日 20:23

更新済 2021年05月21日 21:36

(本文1段落目の「19日」を「21日」に訂正します。)

[東京 21日 ロイター] - 国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は21日、東京が緊急事態宣言下でも今夏の大会を開催する考えを示した。「宣言が出ていようと出ていまいと、われわれが取っているすべての対策で安全な大会は可能だ」と語った。

<開催に反対の世論、「ワクチン接種率高まれば改善期待」とコーツ氏>

日本国内の世論調査で過半数が開催に反対している現状について、コーツ氏は「ワクチン接種率と世論調査に相関がある。ワクチン接種者が増えれば世論調査の数字も良くなることを期待している」と述べた。

IOCは19日から3日間にわたって調整委員会をテレビ会議形式で開催。最終日に会見したコーツ氏は「東京五輪は実施段階に入った」と述べた。選手の新型コロナウイルスワクチン接種を支援する準備は整っているとし、「安心・安全な大会の実施に向け、日本のパートナーと協力を続けている」と語った。

東京が緊急事態宣言下でも開催可能かと記者から問われると、これまで実施されたテストイベントに言及した上で、「もちろんだ」と答えた。コーツ氏は参加予定選手の60%がワクチン接種済みだと説明した。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は、五輪・パラリンピックで来日する関係者は7万8000人程度と、五輪延期前の計画の半分に圧縮し、さらなる合理化に務めると述べた。

緊急事態宣言下での開催については、「医療に支障を来すようでは難しいと思う」と指摘。五輪で必要な医師は1日当たり230人程度、看護師は310人程度で、8割は確保されているとした。

同委員会の武藤敏郎事務総長は、必要な医師・看護師数の試算値に関して、国内の観客数の上限が未定のため、幅があると説明。海外メディアに対する行動制限ルールは報道の自由に制限をかけるものではないとも述べた。