ワクチン接種進展による回復シナリオ、「不確実性が大きい」=雨宮日銀副総裁

Reuters

発行済 2021年07月21日 15:44

更新済 2021年07月21日 16:45

[東京 21日 ロイター] - 日銀の雨宮正佳副総裁は21日、新潟県金融経済懇談会(オンライン形式)後の記者会見で、日本経済はワクチン接種の進展に伴って徐々に回復していくという基本シナリオを持っているが、それは「不確実性が大きい」と述べた。その上で「短期的には下方リスクを重くみるべきというのが日銀の判断だ」とした。

雨宮副総裁は午前中のあいさつで、最新の「展望リポート」で示した中心的な見通しについて、変異株など新型コロナウイルス感染症の影響には不透明感が強く、当面、下振れリスクが大きいとの考えを示していた。一方、ワクチンの普及が加速し、経済活動が想定以上に活発化する可能性もあるとも述べていた。

今秋に政府が補正予算を組む可能性との観測があるが、雨宮副総裁は「一般論」としつつ、経済に対するショックの大きい時期には政府と中銀が協調しながら対応するのが重要だと述べた。その上で、特定の政府の政策と日銀の政策を紐づけるという考え方はこれまでもしてきておらず、一体化して政策を企画立案していくわけではないと語った。

日銀の追加緩和余地については、長短金利の引き下げや、様々な企業金融面の支援措置なども含めて状況と必要性に応じて検討していくと述べた。