豪シドニー、新型コロナ感染高止まり 今後数週間に「急増」も

Reuters

発行済 2021年08月17日 13:42

更新済 2021年08月17日 15:36

[シドニー 17日 ロイター] - 豪ニューサウスウェールズ(NSW)州当局は17日、州都シドニーで新型コロナウイルスの新規感染者が今後数週間に急増する見通しだとし、住民に警戒を呼び掛けた。記録的なペースで感染が拡大する中、入院や死亡の増加を防ぐため、ワクチンの接種を促した。

ベレジクリアン州首相は記者団に対し、「今後2、3週間に感染者数が変動し、大幅に増加する可能性を想定している」と述べた。

シドニーでは市内の一部で道路を封鎖するなどロックダウン(都市封鎖)措置が強化されているほか、違反者に対する罰金も引き上げられている。

しかし、8週間目に入った厳しい行動規制の効果は見えてこず、この日報告された同州の新規感染者は452人と過去3番目の多さとなった。死者も1人報告された。

NSW州のブラッド・ハザード保健相は、シドニー南部の病院では腫瘍学病棟で複数のコロナ感染が確認されたため、80人の医療従事者が隔離を余儀なくされたと説明し、「NSW州全体で医療制度が逼迫していることは間違いない」と述べた。

地方都市への感染拡大で状況の悪化が懸念される中、シドニーから900キロ以上離れた北西部の鉱業都市でも1人の感染者が確認された。

オーストラリアは、感染力の強いデルタ変異株の感染が広がっているが、国内の感染者数は4万人を若干上回る水準で、死者も967人にとどまり、他の先進国の水準を大きく下回っている。ただ、ワクチン接種を完了した人の割合は約26%と低い。

ベレジクリアン首相は、州内の成人のワクチン接種率が70%に上昇すれば、規制が緩和できるとし、州民に早期の接種を促した。