EU首脳、移民対応で合意に至らず 欧州委に提案取りまとめ要請

Reuters

発行済 2021年10月23日 06:31

[ブリュッセル 22日 ロイター] - 欧州連合(EU)首脳は22日、欧州に流入する移民・難民問題への対応を協議したが合意に至らず、執行機関である欧州委員会に提案を取りまとめるよう要請した。

この日の協議でオーストリアのシャレンベルク新首相は「移民・難民問題の圧力は軽減していない。むしろ増大している」とし、EU域外との境界線の警備厳格化が重要になると主張。防護柵の設置やドローン(小型無人機)を利用した警備を主張しているリトアニアに支持を示した。

これに対し、欧州委のフォンデアライエン委員長は「欧州委、および欧州議会は、鉄条網と壁(の建設)に予算を振り向けない姿勢をこれまでも長らく明確に示している」と述べ、反対を示した。

国連の統計によると、地中海経由で欧州に到着した移民・難民の数は今年は約5100人にとどまっているが、数千人がベラルーシ経由でEU域内に入った。