国内のコロナ対策に万全、通常国会前の外遊は見送り=岸田首相

Reuters

発行済 2022年01月04日 14:58

更新済 2022年01月04日 16:28

[東京 4日 ロイター] - 岸田文雄首相は4日の年頭記者会見で、国内の新型コロナウイルス対策に万全を期すため、今月の通常国会前の外遊は行わないと表明した。オミクロン変異株の市中感染が急拡大する可能性に備え、水際対策の骨格を維持しつつ、対策の重点を国内対策に移す準備をすると述べた。

岸田首相は、今年は「対面での首脳外交を積極的に進める年としていく」と発言。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、早期に対面でバイデン米大統領やオーストラリアのモリソン首相と会談すべく調整してきたが、内外の感染拡大状況などを踏まえて17日召集予定の通常国会前の外遊を見送ることにしたと説明した。

<ファイザーの経口薬、2月の実用化目指す>

岸田首相は、主要7カ国(G7)で最も厳しい水際対策を講じた結果、海外からのオミクロン株の流入を最小限に抑えつつ、3回目のワクチン接種の開始など「国内感染の増加に備えるための時間を確保することができた」と指摘。国内で感染が再拡大する可能性を見据え、予防・検査・早期治療の強化を進める方針を強調した。

首相によると、「飲める治療薬」の普及に向け米ファイザーの経口薬についても今月中に購入に関して最終合意し、2月中できるだけ早く実用化を目指す。今後の水際対策については「3連休明けの来週、年末年始の状況をしっかり見極めて判断したい」と述べた。

その上で、一連の取り組みにもかかわらず感染が再拡大し病床がひっ迫することが見込まれる場合には「国民の理解を丁寧に得ながら、行動制限の強化も機動的に考えていかなければならない」との認識を示した。

観光需要喚起策「GoToトラベル」事業の再開については、「まずはオミクロン株等への対応に万全を期していくことが最優先だ」とした上で、専門家の意見を聞きながら、年末年始の状況もしっかり確認して「慎重に考えていくべき課題だ」と述べた。

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