米メルクのコロナ経口薬、27社が廉価版を製造へ 低所得国向け

Reuters

発行済 2022年01月21日 02:53

[ブリュッセル 20日 ロイター] - 米製薬大手メルクの新型コロナウイルス経口治療薬「モルヌピラビル」を巡り、国連が支援する「医薬品特許プール(MPP)」と後発薬(ジェネリック)メーカー27社が、低価格版を製造することで合意した。低・中所得国向けに、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)対策の有力手段とされる同薬へのアクセスを拡大する。

メルクは昨年10月にインドの製薬会社8社とライセンス契約を締結していた。今回の契約はMPPがメルクと交渉したもので、製造企業を増やすことで生産量を拡大する。

今回の契約により、インドや中国に加え、アフリカやアジア、中東諸国の後発薬メーカー27社が成分と最終製品を製造できる。

MPPによると、この契約では105の低・中所得国に薬が配布される。広報担当者はその後、契約の対象となっている一部の企業からの納品は、早ければ2月にも開始できると述べた。

製薬会社との交渉に関わったMPPの関係者はロイターに対し、モルヌピラビルを5日間かけて40錠服用すると、低・中所得国ではコストが約20ドルになると見込まれると説明した。ただし、製薬会社の当初見積りのため変更となる可能性がある。