中国の工業部門利益、4月は大幅減に転じる 原料高騰・コロナ規制で

Reuters

発行済 2022年05月27日 12:07

更新済 2022年05月27日 12:54

[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した工業部門企業の4月の利益は前年比8.5%減少し、2020年3月以来2年ぶりの大幅減となった。原材料価格の高騰と新型コロナウイルス規制に伴うサプライチェーンの混乱で企業利益が圧迫され、生産活動も阻害された。

統計局のデータに基づきロイターが算出した3月の工業部門利益は前年比12.2%増加していたが、4月は一気に減少に転じた。

統計局の幹部は「4月は、一部の地域で新型コロナが頻繁に流行し、工業部門の生産・営業に大きなショックを与え、利益が減少した」と指摘。

コモディティー価格の上昇は、一部の上流部門の利益を押し上げた。鉱業部門は142%の増益だった。ただ、製造部門は22.4%の減益となった。

新型コロナが流行した東部と北東部は、1─4月にそれぞれ16.7%、8.1%の減益。4月は自動車部門が製造業部門の利益を6.7%ポイント押し下げた。

統計局の幹部は「現在、長江デルタのウイルスの封じ込めは改善しており、着実に事業が再開しつつある」とし、新型コロナの工業部門への影響が段階的に緩和するとの見通しを示した。

商業拠点である上海市が先に発表した4月の工業生産は前年同月比61.5%のマイナスで、少なくとも2011年以降で最大の低下となった。マイナス幅は3月の7.5%から急拡大した。