WHOにサル痘の新名称提案続々、「烙印押す名前」にはしないと言明

Reuters

発行済 2022年08月17日 12:35

[ジュネーブ/ロンドン 16日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言したサル痘(monkeypox)を巡り、名称変更を検討する同機関に世界各地から「Mpox(エム痘)」、「トランプー22」など数十種類の案が寄せられている。

WHOには既存の疾病に適切な新たな名称を付ける責務と権限がある。WHOの技術委員会が密室で名称選定することがほとんどだが、WHOは今回、選定過程を公開することを決めた。提案数は最初は少なかったが、今や研究者や現場の医師のほか、現状でサル痘感染が男性の同性愛者に多いとされることを背景に、同性愛の権利擁護者などから多く寄せられている。

サル痘の名称を巡ってはWHOに対し、サルが自然界の宿主ではないとして名称が誤解を招くことが批判され、名称変更の圧力が高まっている。有力科学者のグループは今年6月、名称は「中立で、差別的でなく、烙印を押すようものであってもならない」とし、名称が差別に使われることに懸念を表明する意見書を出した。