中国国営メディア、コロナの脅威「火消し」 WHOは詳細巡り会合

Reuters

発行済 2023年01月03日 19:35

更新済 2023年01月04日 12:18

[北京/香港 3日 ロイター] - 中国国営メディアは、世界保健機関(WHO)との会合を前に新型コロナウイルス感染の深刻さの火消しに走っている。政府は、中国からの渡航者に対する各国の水際対策を批判した。

WHOは3日、中国の専門家2人を招き、技術諮問会議を開催し、中国の感染状況を巡り「より現実的な実態」を模索していくと表明した。しかし、それ以上の詳細には踏み込まず、WHOの報道官は4日の記者会見で詳細を明らかにする可能性があると述べた。

WHOは会議前、中国当局に対し、国内の新型コロナウイルス感染状況に関するリアルタイムかつ具体的な情報を定期的に共有するよう要請していた。

出入国規制が8日から緩和されることになり、中国からの渡航者に対する水際対策が相次ぎ発表されている。

中国外務省は、こうした規制を「不合理」で「科学的根拠を欠いている」と非難。報道官は会見で「世界とのコミュニケーションを改善する意向がある」とした上で「政治的目的で疫病予防と抑制措置を操作する試みに断固反対する。相互主義の原則に基づき異なる状況下で対応策を取るだろう」と述べた。

人民日報は3日、中国の専門家の発言として、感染症はほとんどのケースで比較的軽度と伝えた。

同紙によると、北京朝陽病院の副院長は「現在北京の指定病院に入院している感染者のうち、重症患者は3─4%だ」と語った。

また四川大学の附属病院の院長は、過去3週間で集中治療室に入院した患者は46人で有症状感染者の約1%に過ぎないと述べた。

しかし、上海の病院の救急窓口は患者でごった返しているとロイター記者は3日に報告している。