豪大手2行、利下げの影響転嫁に否定的な見解 低金利が収益圧迫

Reuters

発行済 2019年10月02日 02:18

豪大手2行、利下げの影響転嫁に否定的な見解 低金利が収益圧迫

[シドニー 1日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は1日、今年3回目となる利下げを決定したが、低金利が銀行収益に及ぼす影響を巡る懸念が高まる中、国内大手4行のうち2行が今回の利下げを住宅ローン金利などに完全に反映させることを拒否する姿勢を示した。

オーストラリア中銀は政策金利のオフィシャルキャッシュレートを1.00%から0.75%に引き下げることを決定。景気を支援し失業率の低下を促すことが狙いで、必要に応じて金融政策をさらに緩和する方針を示した。

フライデンバーグ財務相はこれを受け、シドニーで記者団に対し「今回の25ベーシスポイント(bp)の利下げを銀行が完全に反映させると政府は期待している」と述べ、銀行に対し利下げを住宅ローン金利に反映させるよう呼び掛けた。

ただ最大手のコモンウェルス銀行(CBA) (AX:CBA)と3位のナショナル・オーストラリア銀行(NAB) (AX:NAB)はこれを拒否する姿勢を表明。CBAは金利がゼロ%に近づく中「困難な綱渡りを強いられている」とし、超低金利政策の効用に疑問を呈した。NBAの個人向け銀行部門担当最高顧客責任者(CCO)、マイク・ベアード氏は、金利が歴史的な低水準にある中、預金業務を巡るコストが圧迫要因になっていると述べた。