中国人民銀、最優遇貸出金利を来週引き下げへ 物価高より成長減速を深刻視

Reuters

発行済 2019年11月15日 17:16

中国人民銀、最優遇貸出金利を来週引き下げへ 物価高より成長減速を深刻視

[上海 15日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は、月1回公表しているローンプライムレート(LPR、最優遇貸出金利)を来週20日に公表する。トレーダーやファンドマネジャーは、インフレが高進しているものの、人民銀行は成長減速の方をより深刻に受け止め、8月の導入後3回目の引き下げを発表するとみている。

現在、LPRは1年物が4.2%、5年物は4.85%となっている。

アフリカ豚コレラの影響で豚肉価格が急騰し、10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は政府の目標である約3%を超え、ほぼ8年ぶりの高水準となった。[nL3N27Q02E]

一方、成長率は、外需の減少や米国との貿易戦争の影響で第3・四半期は約30年ぶりの低水準となった。

11人のトレーダーと債券運用担当者、約12人のアナリストとエコノミストは、今月はLPRが引き下げられると予想。引き下げ幅は、前週の中期貸出ファシリティー(MLF)金利の引き下げ幅と合わせて5ベーシスポイント(bp)との見方が大勢。

上海のファンドマネジャーは「典型的なスタグフレーション局面に陥っている」と述べ「総合インフレ率が来年半ばまで3%を切ることはなさそうで、目先は緩和に制約がかかっている」と指摘した。

人民銀行は10月、市場の引き下げ予想に反してLPRを据え置き、すでに深刻な債務問題に拍車をかけることを恐れて過度な緩和を控えたことをうかがわせた。