伊中銀総裁、欧州通貨基金構想に警戒 「損失が恩恵上回る恐れ」

Reuters

発行済 2019年11月16日 01:59

伊中銀総裁、欧州通貨基金構想に警戒 「損失が恩恵上回る恐れ」

[ローマ 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は15日、ユーロ圏の救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)の改革に向けた動きが出ていることについて、改革による損失は恩恵を上回る恐れがあるとして警戒感を示した。

ESMについては欧州版の国際通貨基金(IMF)である「欧州通貨基金(EMF)」に改編する案が出ており、改編された場合、金融危機に陥った国の救済に債務再編などが義務付けられる。

イタリアはこうした案に反対。ビスコ総裁はローマで行った講演で「債務再編で得られる恩恵は小さく、かつ不確実性が高い。こうした恩恵は、債務再編を宣言するだけで自己増殖的なデフォルト(債務不履行)懸念が台頭する著しいリスクと照らし合わせて考える必要がある」とし、「慎重な対応が必要だ」と述べた。