中国鉱工業生産、11月は5カ月ぶり大幅増 小売も予想上振れ

Reuters

発行済 2019年12月16日 14:39

中国鉱工業生産、11月は5カ月ぶり大幅増 小売も予想上振れ

[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した11月の鉱工業生産は前年比6.2%増加と、5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。前月から伸びが加速し市場予想も大幅に上回った。

10月は4.7%増、ロイターがまとめたアナリスト予想は5.0%増だった。

11月の小売売上高は前年比8.0%増加。こちらもアナリストの予想(7.6%増)を上回った。景気刺激策と「独身の日」の販売急増が寄与した。

一方、1─11月の固定資産投資は、1─10月と同じく前年比5.2%増でアナリスト予想と一致。

インフラ投資は1─11月に4.0%増と、1─10月の4.2%から伸びが鈍化する低調な結果となった。

総投資の60%を占める民間部門の固定資産投資は4.5%増だった。

米国との貿易戦争は、13日に「第1段階」の通商合意がまとまり、経済への圧力が幾分和らぐとみられる。[nL4N28N3GZ]

キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、マーティン・リンジ・ラスムセン氏は「11月の経済活動と消費の指標は軒並み堅調となった。ただ、この回復は短期に終わると我々は予想する」と述べた。

「第1段階の米中通商合意が短期的に輸出と企業の投資を押し上げる可能性があるのは明らかだが、直近の数四半期で経済成長に寄与していた不動産は伸びが鈍る見込みだ。規制強化で不動産絡みの融資が絞られているからだ」とした。

鉱工業生産の品目別ではセメント、粗鋼、銑鉄が前年比で増加に転じ、鉄鋼、自動車、通信部門は伸びが加速した。

世界貿易の不透明感や国内経済への逆風を背景にアナリストは、経済成長が来年さらに減速すると予想。中国政府は成長率目標を6%程度に引き下げるとみられている。

第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比6.0%増と約30年ぶりの低い伸びとなった。

習近平指導部は、前週開催した中央経済工作会議で、経済成長目標の達成に向け2020年は経済政策を安定的に保ちながら政策の効果を高めていく方針を決めたとされる。[nL4N28M4TA]

ANZの中国シニアエコノミスト、ベティ・ワン氏は、13日付の顧客向けノートで、当局者は来年、特定のある政策オプションに依存するのでなく、複数の政策ツールを組み合わせて成長の維持を図る公算で、緩和政策は市場が予想するほどには積極的に実施されないとの見方を示した。

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