第4四半期の豪CPIは上昇、中銀目標なお下回る

Reuters

発行済 2020年01月29日 11:32

第4四半期の豪CPIは上昇、中銀目標なお下回る

[シドニー 29日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した第4・四半期の消費者物価指数(CPI)は上昇したものの、コアインフレは中銀による3回の利下げ後も引き続き抑制された水準にとどまり、消費者物価押し上げに一段の取り組みが必要になることを浮き彫りにした。

CPIは前期比で0.7%上昇。市場予想の0.6%上昇を上回った。たばこ、旅行、燃料、果物などの価格上昇がけん引した。

前年比では1.8%上昇。市場予想は1.7%上昇。オーストラリア準備銀行(RBA)の目標レンジ(2─3%)の下限を依然として下回る水準だった。

中銀がコアインフレ指標として重視するトリム平均値は前年比1.6%上昇とさらに低い伸びで、中銀の目標を4年連続で下回った。

こうした低インフレを背景に中銀は昨年3回の利下げを実施。政策金利は過去最低の1.75%となっているが、市場は少なくともあと1回の利下げを織り込んでいる。

中銀は今年最初の会合を来週開催する。失業率の改善を受け、この会合では金利を据え置く見通しだ。

先物市場が織り込む利下げ確率は2月4日会合では15%未満だが、4月まででは70%を超える。

これまでの利下げを受け、住宅価格は上向いたものの、賃金の伸び悩みや高水準の債務を背景に消費者動向は依然として弱い。

国内で続く森林火災に加え、新型コロナウイルスの感染拡大と豪観光業への影響を巡る懸念も、消費者心理をさらに悪化させている。