3月の中国サービス部門PMIは43.0、雇用削減が加速=財新

Reuters

発行済 2020年04月03日 11:27

更新済 2020年04月03日 13:28

[北京 3日 ロイター] - 財新/マークイットが発表した3月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は43.0となり、過去最低だった前月の26.5からは持ち直したものの、景況拡大と悪化の分かれ目となる50を依然大きく下回った。3月のサービス業PMIは2005年の統計開始以来の最低水準だった前月に次ぐ、2番目に低い水準。

新型コロナウイルス感染拡大を受けて店舗閉鎖や移動制限など前例のない措置が取られたことで、3月はサービス業の受注が2カ月連続で落ち込み、企業が経費削減に動く中、かつてないペースで雇用が減少した。

新型コロナ封じ込め策を強化する国が増える中、輸出受注も減少した。

今回の結果は、顧客と接するサービス業は製造業よりも新型コロナによる景況悪化が深刻かつ長引くとの懸念を強める内容だ。製造業は通常よりも低い水準ながらも徐々に立ち直りつつある。

欧州と米国のサービス業PMIはこの後発表される。

サービス業は中国経済の約60%を占め、雇用創出の柱でもある。サービス業の大半の企業が小規模の民間企業であり、長引く不況を乗り切る体力は国有企業ほどない。

中国では一部の飲食店やショッピングモール、映画館の営業が再開されたが、当局が新たな感染拡大への警戒を呼び掛ける中、大半の店舗は閉鎖、あるいは規模を縮小した営業が続いている。

CEBMグループのマクロ経済分析責任者Zhengsheng Zhong氏は3月のPMI公表にあたり、「新型コロナ封じ込めに向けた制限が続く中、サービス業は引き続き大きな圧力を受け、大幅に縮小した」と分析。「国内の感染拡大はおおむね落ち着いたが、3月の経済活動の回復は依然として限定的だった」とした。

財新のPMIとは対照的に、国家統計局が今週発表した3月の非製造業PMIは52.3となり、前月の29.6から大きく持ち直した。 財新のPMIは国家統計局の統計に比べ、規模が小さく、輸出志向の企業の比重が大きい。

財新の3月サービス業PMIでは、従業員の安全対策の費用がかさむ中、企業は販売促進のために販売価格を4カ月連続で引き下げた。企業は引き続き、新型コロナ危機の終息にかなり悲観的な見方を示した。