米失業保険申請、伸び鈍化も高水準続く コロナ危機以降3650万件

Reuters

発行済 2020年05月14日 22:42

更新済 2020年05月15日 02:00

[ワシントン 14日 ロイター] - 米労働省が14日発表した9日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は298万1000件と、前週の317万6000件(改定)から鈍化した。鈍化は6週連続。ただ予想の250万件は上回り、新型コロナウイルスの感染拡大による甚大な影響は継続している。

新規失業保険申請件数は3月28日終了週に686万7000件と過去最悪の水準を付けた後、伸びは徐々に鈍化しているが、3月中旬以降の失業保険申請件数は3650万件に達し、5人に1人以上が失業した計算になる。

PNCファイナンシャルのチーフエコノミスト、ガス・フォーシャー氏は「失業ペースは少なくとも鈍化しつつあるが、米労働市場はかなりの圧力にさらされている」とし、「新型コロナ流行に伴うロックダウン(都市封鎖)措置の段階的緩和に伴い、企業が今後数週間でどの程度速いペースで雇用を再開するかが焦点だ」と述べた。

ライトサイド・アドバイザーズ(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、ジョッシュ・ライト氏は「現在はレイオフの第1波の終盤にさしかかっている」と指摘。「自然災害の段階からリセッション(景気後退)の段階に移行しつつあるため、多くのホワイトカラーの職種で雇用が失われる事態となっている。米国は実質的に経済の大きな部分を『切断』したため、今後は足を引きずって歩くことになる」と述べた。

低調な需要が響き、ロックダウンの影響を当初受けていなかった産業にもレイオフが広がっている様子も指摘された。

5日終了週の失業保険受給総数は2283万3000件と、前の週から45万6000件増加した。