米中古住宅販売、4月は約10年ぶり大幅マイナス

Reuters

発行済 2020年05月22日 01:59

[ワシントン 21日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が21日に発表した4月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比17.8%減の433万戸と、2010年7月以来の大幅な下落率となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により労働市場や広範な経済が低迷し、住宅需要が急減した。市場予想は18.9%減の430万戸だった。

中古住宅販売は住宅市場全体の約90%を占める。4月の前年同月比は17.2%減だった。

19日に発表された4月の住宅着工件数と住宅着工許可件数も急減した。

4月は小売売上高や製造業生産も大幅に落ち込んだ。エコノミストは第2・四半期国内総生産(GDP)が世界大恐慌以来の大幅なマイナスを記録するとみており、最近の統計はこうした見方を後押しする。

新型ウイルスの感染拡大を抑えるための封鎖措置が3月中旬に導入された後、米国各地は徐々に経済活動を再開しており、住宅市場の最悪期は過ぎたとみられる。

ただ3月と4月に最低2140万人が失業したことを踏まえると、住宅ローン金利が過去最低水準にある中でも住宅市場は低迷し続ける可能性が高い。