米中古住宅販売、5月は9年7カ月ぶり低水準

Reuters

発行済 2020年06月23日 01:45

更新済 2020年06月23日 02:36

[ワシントン 22日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が22日に発表した5月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比9.7%減の391万戸と、2010年10月以来9年7カ月ぶりの低水準を付けた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け第2・四半期に住宅市場が急速に縮小したとの見方を後押しした。市場予想は3%減の412万戸だった。

5月の販売戸数は、3月と4月に締結した契約を反映する。

中古住宅販売は住宅市場全体の約90%を占める。5月の前年同月比は26.6%減と、1982年以来の大幅なマイナスだった。

MUFG(ニューヨーク)のチーフ・エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「新型ウイルス感染拡大抑制策が実施されていた間に積み上がった需要で、住宅販売は上向くと予想される」としながらも、「雇用が大量に失われたこと、慎重になった消費者が貯蓄に資金を回していることを踏まえると、住宅販売は抑制される可能性がある」と指摘。TIAAバンク(フロリダ州ジャクソンビル)のバイスプレジデント、ジョン・パタキ氏も「困難な時期はまだ脱していない」と述べた。

中古住宅市場は5月に底を打ったとみられる。住宅ローン金利が過去最低水準にある中、ここ数週間は住宅ローン申請が11年ぶりの高水準に達している。先週発表された5月の住宅建設許可件数は大幅に持ち直した。

新型コロナの感染拡大を抑えるために3月中旬に導入された封鎖措置を経た後に経済が再開したものの、失業者は依然として2000万人に迫る。さらに、住宅の供給は依然として逼迫しており、住宅市場が力強く回復する可能性が低いことを示唆する。

5月は中古住宅販売が減ったほか、住宅建設の伸びは控えめだった。住宅投資が第1・四半期に7年超ぶりのペースで伸びた後、第2・四半期は落ち込んだことを示唆する。

5月の中古住宅販売は全4地域で低迷した。NARによると、新型ウイルス感染拡大を受け多くの企業が在宅勤務を取り入れるなど柔軟な勤務体制にシフトしたことで、住宅需要は郊外の一戸建て住宅に偏る傾向があった。

住宅在庫は前年同月比で18.8%減の155万戸だった。販売価格中央値は前年同月比2.3%上昇し28万4600ドルだった。12年2月以来の小幅な伸びとなった。ただ一戸建て住宅に限れば、販売価格は上昇した。

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モーゲージ・バンカーズ・アソシエーション(ワシントン)のチーフ・エコノミスト、マイク・フラタントーニ氏は「新型ウイルス危機を受け需要は3月と4月に明らかに減少したが、供給が需要よりも大きく減少したため、住宅価格の下落に歯止めがかかった」と指摘。「供給不足を反映し、住宅価格は夏にかけて上向くと予想している」と述べた。

5月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は4.8カ月。昨年5月の4.3カ月から増えた。健全な需給バランスには6─7カ月が適切とされている。