[ブリュッセル 22日 ロイター] - 欧州連合(EU)の反トラスト当局は22日、ロンドン証券取引所(LSE)による金融情報・分析会社リフィニティブの買収に関して、競争上の懸念を指摘し、4カ月間にわたる本格調査に着手した。
LSEは昨年、270億ドルでのリフィニティブ買収を発表。この買収を巡るEUの事前審査でEUが指摘した競争上の懸念を解消する譲歩案をLSEが提示しなかったため、EU当局は本格調査を開始した。
欧州委員会は、買収後の新会社が欧州国債取引に占めるシェアの大きさを懸念。LSEとリフィニティブがそれぞれ保有する債券の電子取引プラットフォーム「MTS」と「トレードウェブ」はともにすでに大きなシェアを占めているため、合併後は他の市場参加者が競合するのに十分な顧客を獲得できなくなるとの見方を示した。
欧州委はまた、別の懸念として、トレーディングと店頭金利デリバティブの取引と清算における新会社のシェアの大きさを挙げた。この分野で顧客が利用先を変えることはほとんどない。
LSEは声明で、欧州委と建設的なやり取りを続け、リフィニティブ買収の年内完了を引き続き目指すと明らかにした。
リフィニティブはコメントを差し控えた。
欧州委は10月27日までに買収を認めるかどうか決定する。
リフィニティブはトムソン・ロイター (TO:TRI)が45%所有する。