中国工業部門企業利益、5月は前年比6%増 半年ぶりのプラス

Reuters

発行済 2020年06月29日 07:56

[上海 28日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した5月の工業部門企業利益は、前年同月比6%増の5823億元(822億8000万ドル)となり、6カ月ぶりに増加に転じた。伸び率は2019年3月以来の高水準を記録。中国経済の回復に勢いが付いてきたことを示し、設備投資や雇用の見通し改善につながりそうだ。

4月は4.3%減だった。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための厳しい制限措置が解除されて以降、中国の経済活動は明らかに改善している。ただ、これまでのところ回復はまだら模様で、感染第2波や世界的なリセッション(景気後退)を巡る懸念を背景に、国内外の需要は引き続き低迷している。

統計局幹部は声明で、5月の利益は増加したものの、新型コロナの感染が続く中、市場の需要は依然として比較的弱いとし「利益改善の持続可能性については、さらなる見極めが必要になる」と述べた。

1─5月の工業部門企業利益は、前年同期比19.3%減の1兆8400億元だった。

5月の利益の伸びは、石油精製、電力、化学、鉄鋼など主要部門の力強い回復が主導した。石油精製部門は前年比8.9%増の116億元。電力部門も10.9%増加し、両部門とも大幅なマイナスを記録した4月からプラスに転じた。

統計局幹部によると、コストへの圧力緩和や利益マージンの改善、刺激策の効果、投資収益の改善が利益の伸びに寄与したという。