インド、自動車の輸出奨励制度を検討 輸出倍増目指す=関係筋

Reuters

発行済 2020年06月30日 10:07

[ニューデリー 30日 ロイター] - インド政府は今後5年間で自動車・自動車部品の輸出を倍増させるため、自動車業界向けの奨励制度を検討している。複数の関係筋がロイターに対して明らかにした。

現在、重工業省が制度の草案について、業界団体の意見を求めているという。

草案は、輸出向けの生産・調達を増やすため5年間にわたって企業にインセンティブを付与する内容。インセンティブは、自動車・自動車部品の販売額で決まる。一定の売上高・利益があり、少なくとも10カ国に輸出している企業に付与されるという。具体的にどのような形のインセンティブになるかは未定。

協議は初期段階で、詳細は固まっていないが、自動車産業を「大きく後押し」する内容になるという。

同省のコメントは取れていない。

インド政府は巨大産業の育成を通じて投資の誘致、雇用創出、製造業の拡大を図りたい考え。輸出の拡大を重視しており、政府高官によると、自動車・繊維産業などの輸出奨励制度を計画している。

インドの自動車部門の2018/19年度(4-3月)の輸出額は270億ドル。フォード (N:F)、現代自動車 (KS:005380)、マルチ・スズキ (NS:MRTI)、フォルクスワーゲン(VW) (DE:VOWG_p)、ボッシュ (NS:BOSH)がけん引役で、アナリストはこうした企業が輸出奨励制度の恩恵を特に受けると分析している。

関係筋によると、輸出奨励制度はまず大企業を対象とし、その後、中小企業にも対象を広げていく方針。

過去5年間のうち3年間で売上高が1000億ルピー(13億ドル)以上、営業利益が100億ルピー(1億3100万ドル)以上の自動車メーカーが対象になるという。