米耐久財コア受注、6月3.3%増 2年ぶり伸び率

Reuters

発行済 2020年07月28日 01:42

更新済 2020年07月28日 02:36

[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した6月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比3.3%増と、市場予想の2.3%増を上回り、2018年7月以降で最大の伸びとなった。国内総生産(GDP)の設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷も伸びが加速した。

ただ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による第2・四半期の設備投資と経済活動は、世界大恐慌以降最大の落ち込みを避けられない見込みだ。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、オーレン・クラフキン氏は「経済再開に伴う好影響は足元で薄れ、新型コロナ感染者の急増や大幅な需要低迷、供給網の混乱、過去最低水準で推移する石油価格、高い不確実性などが設備投資の大きな重しになる」と述べた。

5月のコア資本財受注は1.6%増だった。

コア資本財受注は依然としてパンデミック前の水準を下回っている。

6月は機械と組立金属、一次金属の需要が好調だったほか、在宅勤務の広がりを背景に電機・家電が1.2%増となり、全体水準を押し上げた。

6月の前年同月比は2.3%減だった。

コア資本財の出荷は前月比3.4%増と、2013年11月以来の伸びを記録。5月は1.6%増だった。

エコノミストは、設備投資が第2・四半期に過去最大の落ち込みを記録し、5四半期連続のマイナスになるとみている。

ロイターのエコノミスト調査によると、第2・四半期国内総生産(GDP)は年率で34.1%減と、政府がGDPの統計を記録し始めた1947年以来最大の減少となる見込み。第1・四半期GDPは年率5.0%減と、07─09年の世界金融危機以来の大幅なマイナスだった。

第2・四半期GDP速報値は30日に発表される。新型コロナの感染拡大を抑えるため、3月中旬に生活に必須でない事業が閉鎖されたことで経済活動はほぼ停止状態になった。当初の影響は大半が4月に出た。

事業が再開する中、経済活動は持ち直しているが、全米で感染件数が再び増えていることで、始まったばかりの経済再生は脅かされている。被害が大きい南部や西部では事業を再停止するか経済活動再開の動きを止めた地域もある。

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キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、マイケル・ピアース氏は「米経済が再び縮小の危機にひんしているとは思わないが、今年下期の回復ペースははるかに緩やかで不安定なものになるだろう」と述べた。

6月の全体の耐久財受注は前月比7.3%増。5月は15.1%増だった。耐久財はトースターから航空機まで3年以上使われるモノを指す。6月は自動車が85.7%急増。5月は28.8%増だった。自動車が押し上げ要因となり、輸送機器は6月に20.0%増加した。輸送機器は5月にも78.9%急増していた。

一方、輸送機器のうち民間航空機は6月に462.3%減。米航空機大手ボーイング (N:BA)のウェブサイトによると、6月の受注は1件と5月の9件から減った。

米ボーイング<BA.N>は今月、旅客機「737MAX」のキャンセルが今年上半期に355機に上ったことを明らかにした。737MAXはインドネシアとエチオピアでの墜落事故を受け19年3月から運航が停止され、新型コロナ危機の航空業界への打撃も重しとなった。