米企業在庫、8月は0.3%増 2カ月連続プラス

Reuters

発行済 2020年10月17日 02:45

[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日に発表した8月の企業在庫は前月比0.3%増と2カ月連続で伸びた。第3・四半期は貿易赤字の拡大が経済成長の伸びを抑制する見込みだが、在庫がその影響を和らげる可能性を示唆した。市場予想は0.4%増だった。

7月の企業在庫は0.1%増だった。6月まで6カ月連続でマイナスとなっていた。

8月は小売在庫が0.4%増。先月発表された速報値の0.8%増から下方改定された。7月は1.2%増加していた。

自動車は0.3%増。速報値は0.6%増だった。国内総生産(GDP)算出に用いられる自動車を除く小売在庫は0.5%増。速報値は0.9%増だった。

在庫の減少が一因で第2・四半期GDPは年率31.4%減と過去最大の落ち込みを記録した。在庫はGDPを3.5%ポイント押し下げる方向に働いた。1988年第1・四半期以来の大幅な押し下げ幅だった。在庫は5四半期連続でGDPの押し下げ要因となっている。米経済は2月に景気後退(リセッション)入りした。

企業は輸入することで在庫を再び積み上げている。貿易赤字は8月に過去最高水準を付けた。大半の輸入品は在庫補充に充てられており、モノの貿易赤字は第3・四半期GDPをやや押し下げる方向に働くとみられる。貿易は過去3四半期、GDPの押し上げ要因だった。

卸売在庫は0.4%増。製造業在庫は横ばいだった。