英雇用が悪化 第3四半期の一時帰休が過去最多 失業率4.8%に上昇

Reuters

発行済 2020年11月10日 17:06

更新済 2020年11月10日 19:00

[ロンドン 10日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した第3・四半期の一時帰休者は前期比18万1000人増加し、過去最多の31万4000人となった。

失業率は4.8%へ上昇した。ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致し、2016年9─11月期以来の高水準となった。

9日には、米製薬大手ファイザー (N:PFE)などが開発する新型コロナウイルス感染症ワクチンが、後期臨床試験で高い効果を示す結果が報告され、一般市民や投資家は歓迎したが、今回の英雇用統計は、多くの英国民にとって今後も厳しい日々が続くことを示唆した。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「失業率が4.8%と、6─8月の4.5%から悪化したことは、雇用対策を縮小したことが影響している」と指摘。「2度目のロックダウン(都市封鎖)で景気回復の反転が見込まれる中、失業率は来年、9%程度にまで上昇する可能性がある」とした。

イコールズ・グループのチーフエコノミスト、ジェレミー・トムソンクック氏は「過去数カ月の一時帰休が過去最高の31万4000人となったことは、残念ながら多くの人にとって政府の追加支援が遅過ぎたことを示している」と指摘した。

就業者数は16万4000人減と市場予想の14万8000人を上回る減少幅となった。