米新規失業保険申請、予想以上の減少 不正取締強化の影響も

Reuters

発行済 2020年12月23日 23:00

更新済 2020年12月24日 03:00

[ワシントン 23日 ロイター] - 米労働省が23日に発表した19日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は80万3000件と、前週の89万2000件から予想以上に減少した。

一部エコノミストは不正申請の取締強化が減少につながった可能性があると指摘。しかし、新型コロナウイルス感染の急拡大が消費や企業活動への足かせとなる中、失業者数は引き続き非常に高い水準にとどまっている。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は88万5000件だった。

24日はクリスマスイブで米政府機関が休日となるため、同指標は1日前倒しで発表された。

自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)の申請件数を含めると、1週間で130万人が失業保険を申請した。12月上旬には約2040万人が失業手当を受け取っていた。

新規失業保険申請件数は過去最悪を記録した3月の686万7000件からは減少しているものの、2007─09年の景気後退(リセッション)の66万5000件はなお上回っている。

PNCフィナンシャル(ピッツバーグ)のチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「労働市場は新型ウイルス感染拡大前よりも悪い状態にあり、改善ペースは夏以降に減速した」と述べた。