設備投資10─12月期は前年比4.8%減、前四半期比でもマイナス続く

Reuters

発行済 2021年03月02日 10:18

[東京 2日 ロイター] - 財務省が2日発表した2020年10─12月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、設備投資額は全産業で前年比4.8%減となった。季節調整済み前期比でも全産業では0.3%減で、前年比・前四半期比ともに3四半期連続でマイナスとなった。

前年比では前2四半期の2桁減に比べるとマイナス幅は縮小しているが、コロナ禍以前の水準には至っていない。製造業は8.5%減、非製造業は2.6%減だった。

設備投資の減少について財務省幹部は「経済の先行きに対する不透明感を反映している」との見方を示した。

<食品・運輸・リース業などで設備投資減>

設備投資を下押しした主な業種は、食料品(前年比29.2%減)、電気機械(同23.8%減)、運輸・郵便(同15.1%減)、物品賃貸(同22.0%減)など。冷凍食品や飲料・酒類メーカー、陸運・空運・海運業、リース会社などで減少しており、新型コロナウイルス感染継続による外出自粛・在宅勤務拡大のあおりを受けやすい業種が目立つ。

売上高は前年比4.5%減で、前期の11.5%減よりマイナス幅は縮小したが、6四半期連続の前年割れとなった。主な減収業種は、電気機械や食料品、サービス業・卸売小売業など。一方、増収を確保したのは、自動車などの輸送用機器やはん用機器、不動産・電気など。

経常利益は前年比0.7%減で7四半期連続減少。前期の28.4%と比べれば減少幅は小さくとどまった。食料品や化学、運輸・郵便やサービス業が減収。輸送用・生産用機械や卸売・小売、建設業が増収となった。

法人企業統計は四半期ごとに調査が行われ、資本金1000万円以上の法人企業が対象。